目の前でQRコードを出されて、断れる人はほとんどいません。
だから追加という行為そのものには、思っているほど意味がないんです。好意でも、社交辞令でも、その場の流れでも、画面上では同じ一件の追加として並ぶだけ。
追加そのものには、ほとんど情報が乗っていない
断る理由を探すほうが難しい
飲み会の途中、相手がスマホを差し出してくる。連絡先交換しませんか、と。
ここで嫌ですと言える人は、なかなかいません。角が立つし、その場の空気も悪くなる。だから、とりあえず追加する。
つまり、追加できたという事実は、拒否されなかったという以上の意味を持ちません。厳しいようだけど、ここを最初に置いておかないと、あとで勝手に期待して勝手に落ち込むことになります。
見るべきは、追加のあと
価値があるのは、追加後の数日です。
どちらが先に一通目を送ったか。返信までにどのくらいかかったか。会話が二往復したか。ここに全部出ます。
追加された瞬間に舞い上がるのではなく、三日後の画面を見て判断する。それくらいで、ちょうどいい距離感だと思う。
追加の経路で、意味はまったく変わる
その場でQRを交換した
双方が画面を出し合った場合、意思としては半々。断りづらい状況だった可能性は残るものの、悪印象は持たれていません。
ここで判断材料になるのが、誰が言い出したかです。相手から切り出されたなら、少なくとも接点を残したいとは思われている。
グループから追加された
サークルや職場のグループ経由で個別に追加してくる場合、これは意思のある行動です。
グループで話せる相手をわざわざ個別に追加するのは、二人でやり取りしたい何かがあるということ。用件なのか、それ以外なのかは分かりませんが、無作為ではありません。
電話番号で自動的に繋がった
アドレス帳の連携で勝手に友だちに並ぶこともあります。設定次第で、本人が何もしていなくても起きる。
ここに意味を探しても何も出てきません。追加されたという通知に浮き足立つ前に、経路を確認しておくと落ち着けます。
IDを聞かれて教えた
相手から尋ねられて、こちらが答えた形。この場合、行動を起こしたのは相手のほうです。
ただし、幹事や連絡係が全員分を集めているだけ、という展開もある。周りに他の人がいたかどうかで、意味が変わります。
女性が追加する側にいるとき、何を考えているか
好意だけが理由じゃない
正直に書きます。女が男性を追加する理由は、けっこう幅広いです。
話が合いそうだから、仕事で必要だから、友達の輪に入れておきたいから、その場で断れなかったから。恋愛感情が入っているのは、そのうちの一部。
だから、追加された段階で好意を確信するのは早い。逆に言えば、まだ何も減点されていない状態でもあります。ここからどう動くかで全部決まるので、悪い話じゃないんです。
断れなくて追加した、という現実
これも書いておきます。その場の空気で追加して、家に帰ってから、あー追加しちゃった、と思うことはあります。
そういうときは、たいてい一通目に返す言葉を探しています。冷たくしたいわけではなく、期待させたくないだけ。
この段階でぐいぐい来られると、距離を取る方向に一気に傾きます。逆に、軽い一通で終わらせてくれる人には、こちらも軽く返せる。ここが分岐点になることは多いです。
追加された側は、どこまで喜んでいいのか
期待しすぎると、動きが硬くなる
追加された時点で脈ありだと決めてしまうと、次の一通に力が入りすぎます。
気合いの入った文章は、読めば分かるんですよ。時間をかけて書いたことも、何度も推敲したことも。それ自体は悪くないんだけど、受け取る側は温度差を感じて一歩下がる。
まだ何も決まっていない、くらいの構えでいたほうが、文章がふっと軽くなります。軽い文のほうが返ってくる。皮肉な話だけど、そういうものです。
周りに聞いて回らない
これ、意外とやってしまう人がいます。共通の友人に、あの子どういうつもりなんだろう、と相談する。
その相談、かなりの確率で本人に届きます。そして、追加しただけでそこまで意味を持たれたのか、と受け取られる。
気になる気持ちは分かるけれど、確認は本人とのやり取りの中でだけ。外に出した瞬間、話が別の形になって戻ってきます。
それでも、脈を測れる要素はある
一通目を、どちらが送ったか
追加のあと、先に連絡してきたのが相手なら、それは意思表示です。
追加は流れでできても、一通目は自分から動かないと送れないので。ここに温度差が出ます。
返信の速さより、質問の有無
返ってきた文に問いが入っているか。これが判定にいちばん使えます。
問いがあるなら、会話を続けたいということ。用件への返答だけで終わっているなら、いまは様子見の段階。
速さは、あまり当てになりません。手が空いていただけということが多いので。
表示名とアイコンの扱い
細かいけれど、地味に出ます。
本名で登録されているか、あだ名か。アイコンが顔写真なのか、風景なのか。追加後にプロフィールを変えたなら、見られている意識があるということ。
断定はできません。それでも、変化があった場合は少なくとも意識の外ではない、とは言えます。
追加したのに、何も送ってこない理由
一通目が、いちばん難しい
追加だけして沈黙、というパターン。これ、興味がないからとは限りません。
一通目って、書くのがものすごく難しいんです。軽すぎると素っ気ないし、丁寧すぎると硬い。何を送っても正解じゃない気がして、下書きだけが増えていく。
その結果、送らないまま数日が過ぎる。よくあります。
きっかけを待っているうちに、日が経つ
女性側にありがちなのが、送る理由を待つこと。
写真ができたら送ろう、あの店の情報が分かったら送ろう。理由がないと連絡してはいけない気がして、待っているうちに一週間。もはや今さら送れない、という位置まで来てしまう。
だから、沈黙している側が悪いわけでも、興味がないわけでもない。ただ、詰まっているだけのこともあります。
三日悩んで、結局送れなかった話
下書きだけが増えていった
これは私の失敗です。
気になっていた人にIDを聞いて、その場で追加まで漕ぎ着けました。帰り道の電車で、何を送ろうかと考え始めて。
今日はありがとうございました、は硬い。楽しかったです、は軽い。スタンプだけ、は逃げてる気がする。書いては消して、を三日続けました。
四日目の夜、彼から一通届きました。この前はどうも、という短い文。
返信を打ちながら、耳が熱くなったのを覚えています。三日間ずっと考えていたのに、先に動かれた恥ずかしさで。
温度は、すでに下がっていた
そこからやり取りは続いたものの、盛り上がりませんでした。
たぶん、三日の空白がそのまま関心の薄さとして読まれたんだと思う。実際は真逆だったのに。
一通目に迷ったら、内容の質を上げようとしないほうがいい。当たり障りのない一言でも、早いほうが強い。あのとき覚えたのは、それだけでした。
追加後の一通目は、こう組む
用件があるなら、それを先に
写真を送る、日程を確認する、資料を渡す。理由があるなら迷わずそれを使ってください。
今日撮った写真送りますね。
これで完璧です。返信も自然に生まれるし、送った側も気負わずに済む。
用件がないなら、その場の話を一つ
何もないときは、さっきまで一緒にいた時間から拾う。
さっきの店、名前思い出しました。◯◯でしたね。
共通の記憶に触れると、初回のぎこちなさが薄まります。会話が地続きになるので。
長い自己紹介は、いらない
追加のタイミングで、自分の趣味や仕事を並べた長文を送る人がいます。誠実さのつもりでも、読む側は身構える。
情報は、会話の中で少しずつ出てくればいい。一通目は三行以内に収めておくと、返信のハードルが下がります。
やらないほうがいいこと
深夜に追加する
夜中の追加は、それだけで意図を疑われます。しかも通知が鳴って起こしてしまう可能性もある。
その場で交換したなら別ですが、あとから追加するなら翌日の日中に。時間帯が違うだけで、受け取られ方が変わります。
追加してすぐ誘う
一通目で食事に誘うのは、早すぎます。相手はまだ、あなたとの距離を決めていないので。
判断を迫られると、とりあえず断る方向に傾く。会話を二往復してからでも遅くありません。
追加だけして、放置する
自分から追加しておいて何も送らないのは、いちばんもやっとされます。
何のために追加したんだろう、が残るので。用件がなくても、一言だけ置いておく。それだけで印象が違います。
女性側が追加するときの、伝え方
理由をひとつ添える
追加するとき、無言で申請するより一言添えたほうが自然です。
さっきの話の続きが気になるので追加しました。
理由があると、相手も受け取りやすい。重くならない範囲で、なぜ追加したかを軽く置いておく。
追加したら、自分から一通
追加しておいて相手の出方を待つのは、少しもったいない。
先に一通置いてしまったほうが、そのあとが楽です。相手が一通目に悩んで止まっている可能性もあるので、こちらから解いてあげる感覚で。
がっついていると思われる心配は、そこまでしなくていいと思う。一通で止めておけば重くなりません。
追加してからの一週間で、形が決まる
最初の三日は、軽さを保つ
一通目が動いたあとも、しばらくは短いやり取りに留めておくのが安全です。
交換したばかりの相手からいきなり毎日連絡が来ると、多くの人はペースを疑います。この人、いつもこうなのかな、と。
一日に一往復。多くても二往復。それくらいの密度で始めると、続けやすいリズムができます。
一週間で会話が動かないなら、いったん置く
追加から一週間、二往復も続かない。この場合、いまはタイミングではないということ。
そこで粘って話題を投げ続けると、会話ではなく作業になります。作業になった時点で、たいてい終わる。
放っておいても連絡先は消えません。共通の予定や季節の話題が出てきたときに、また動かせばいい。急がないほうが、結果として長く残ります。
自然に続いた例と、消えた例
用件つきの初手が、いちばん強い
知り合いのやり取りで、うまいなと思った例があります。
追加してすぐ、こう送っていました。今日話してた本、タイトルこれです。
写真もリンクもなし。ただ本の名前だけ。
返信は、ありがとうございます、から始まって、その本の話で二往復。そのまま自然に会話が続いていきました。
用件があると、初対面の気まずさを飛ばせるんですよね。
消えたときは、拒否とは限らない
一方で、追加したまま何も起きずに終わることも普通にあります。
そのときは、相手が判断したというより、二人とも動かなかっただけ。追加は関係の始まりですらなくて、始められる状態になっただけなので。
消えていったトークを数えて落ち込む必要はありません。誰の連絡先にも、そういう名前が何人か眠っています。私のところにも、たぶんあなたのところにも。