デート当日のLINEって、当日の朝から始まると思われがちなんだけど、実際は前の晩から動いてる。
朝だけ気をつけても、もう遅い。
一日のあいだに送るのは、たぶん三通か四通。その少ない回数で、相手の中のあなたの位置がじわりと変わっていきます。多く送れば伝わるものでもないところが、また難しいんですよね。
前日の夜に一通置くと、当日の朝が静かになる
送るなら二行、それ以上は削る
前夜の連絡には、確認という役目があります。時間と場所を軽くなぞって、楽しみにしていることを一言だけ。
明日十二時に駅の南口ですよね。楽しみにしてます。
これで完結。天気の話も、今日あった出来事も、いりません。
ここで大事なのが、相手に返信の負担を渡さないこと。確認の文って、了解ですの三文字で返せる形になっていれば十分なんです。仕事終わりの疲れた頭でも処理できる量に収めておく。
逆に前夜に何も送らないという選択もあり。相手から確認が来ているなら、こちらから重ねる必要はないので。
前夜の長文は、当日の空気ごと重くする
やってしまいがちなのが、前の晩のテンションで書いた長い文章。
明日どこ行きますか、服装どんな感じがいいですか、お店予約しました?苦手なものありますか。
四つ聞いた時点で、相手は宿題を出された気分になります。しかも夜遅く。
聞きたいことがあるなら、もっと早い段階で済ませておく。前日の夜は、確認だけの静かな時間にしておいたほうが、翌朝の空気が軽くなります。
当日の朝、送るか送らないかの分かれ道
情報が入っているなら送る、ないなら送らない
朝の連絡で判断基準になるのは、その一通に中身があるかどうか。
電車が遅れている、少し早く着きそう、雨が強いので靴を変えます。こういう情報が入っているなら、送ったほうがいい。相手の行動が変わるので。
中身がないのに送るのが、おはようございます、今日はよろしくお願いします、だけの一通。悪くはないけれど、返信に困るんですよね。よろしくお願いしますと返して終わり。会話が生まれないやり取りが一往復増えるだけ。
それと、男性は当日の朝にわりとばたばたしています。髪を整えたり、店に電話して席を確認したり、財布の中身を数えたり。そこに返信作業を足すと、余裕が削られる。連絡しない優しさというのも、たしかにあります。
朝の長文で自爆した日のこと
何年か前。感触のよかった相手とのデート当日、私は朝の八時にLINEを打ちました。
今日楽しみにしてます、天気良さそうでよかったです、お昼どのへんで食べますか、あと私ちょっと早めに着くかもしれません、大丈夫ですか。
送信して、シャワーを浴びて、出てきて画面を見る。未読。髪を乾かして、また見る。未読。
化粧をしながら三分おきに確認していたので、アイライナーが二回よれた。指先が汗ばんで、スマホの画面がべたつく。あの朝の落ち着かなさ、思い出すと今でも耳のあたりが熱くなります。
既読がついたのは、待ち合わせの三十分前。彼、朝は美容室に行っていたそうです。
問題はそのあとで。デートの前半、私はずっと上の空でした。返信が遅かったことの意味を頭の中で処理し続けていたから。目の前に本人がいるのに、朝の未読画面のことを考えている。あれほど無駄な時間もない(笑)
朝の一通は、相手のためじゃなくて自分の不安を鎮めるために送っていた。そう気づいたのは、だいぶあとになってからでした。
待ち合わせ直前の一通が、いちばん効く
到着報告は、場所まで具体的に
差がつくのはここ。待ち合わせの十分前に着いたら、それを伝える。
南口の階段下に着きました。急がなくて大丈夫です。
たったこれだけで、相手は探す手間が消えるし、待たせている焦りからも解放される。急がなくて大丈夫、の一言があるかないかで、彼が改札を出てくるときの表情が変わります。
逆に、着きましたとだけ送るのは惜しい。広い駅だと、どこ、が発生してしまうので。目印になるものを一つ入れておくと、そこで会話が始まる余地も生まれます。
それと、早く着きすぎたときに何時から待っていたかを言わないこと。三十分前から待ってました、は好意の表明のつもりでも、受け取る側には負荷になる。相手が悪くないのに謝らせてしまうので。
待ち時間の長さは、こちらの中だけに置いておく。近くのカフェで一杯飲んで、十分前に出る。それくらいの余裕を作っておくと、会った瞬間の第一声がふっと軽くなります。
遅刻しそうなときの伝え方で、印象は反転する
知り合いに、電車の遅延で二十分遅れることになった子がいました。彼女が送った一通が、なかなか見事で。
人身事故で二十分遅れます。先にお店入って何か頼んでてください。着いたら私が最初の一杯おごります。
遅刻の連絡なのに、謝罪の重さがない。時間の見込みが数字で入っていて、相手が待つあいだの過ごし方まで指定してある。
このあと二人は付き合いました。彼が後から言っていたのは、慌ててる感じがなくて安心した、ということ。
やってはいけないのは、ごめんなさい本当にすみませんの連投と、何分遅れるか書かないこと。すみません少し遅れます、だと、相手は五分なのか三十分なのか分からないまま立ち尽くすことになる。数字を書く。それだけで、誠実さの伝わり方が変わります。
デート中、スマホをどう扱うか
見るなら、堂々と一言添える
テーブルの上に伏せて置いておくのが基本。ポケットにしまい込むと、逆に触りたくなるので。
どうしても確認が必要なときは、隠さずに言う。仕事の連絡だけ見てもいいですか、と。こそこそ画面を覗く仕草って、思っている以上に伝わります。膝の上でちらっと見る、あの動き。あれ、正面に座っている人からは全部見えてる。
通知音は切っておく。バイブも切っておく。テーブルの上でかたかた鳴る音、あれが会話のリズムをいちばん壊します。
その場で撮った写真を、すぐ送らない
料理の写真を撮って、その場で相手に送る人がいます。悪くはないけど、もったいない。
写真は帰ってから送るほうが効く。その日の余韻が、相手の中で薄れ始めるタイミングで届くので。あ、そういえば楽しかったな、と思い出させる装置になるんです。
デート中は、目の前の人を見ている時間を増やしたほうがいい。写真の共有作業に二人でスマホを覗き込む数分は、会話の数分と交換になっているので。
別れたあとの一通は、時間の逆算で決まる
帰宅報告と感想を、一通にまとめない
別れ際に、着いたら連絡しますね、と言えるとスムーズ。約束が一つできるので、送る口実に悩まなくて済みます。
そして帰宅後の一通目は、短く。
無事着きました。今日ありがとうございました。
ここに感想を詰め込みたくなるんだけど、我慢する。長い感想文が来ると、相手も同じ長さで返さなきゃという気持ちになる。夜の疲れた頭には、これが重い。
感想を伝えるなら、彼から返信が来たあと。会話の二往復目に置く。
あの二軒目のカウンター、お店選び上手すぎませんか。
褒めどころを一点に絞ると、社交辞令から抜けます。楽しかったですという言葉より、店の選び方に触れられたことのほうが、彼の記憶には残る。
送る時刻は、相手が家に着いたころ
別れてすぐに送ると、相手はまだ電車の中。立ったまま片手で返信することになるので、返事が雑になりがちです。
彼の家までの所要時間をざっくり計算して、そこから十分後くらい。帰宅の動線が落ち着いて、ソファに座ったあたり。ここで届くと、ちゃんとした文章が返ってきます。
分からなければ、別れてから一時間を目安に。深夜まで待つ必要はありません。日付が変わってからのお礼は、間が抜けて見えるので。
相手の連絡ペースに、当日の通数を合わせる
前日までのやり取りが、そのまま目安になる
当日に何通送るのが正解か。ここに固定の答えはなくて、それまでのやり取りを見れば分かります。
毎日おはようからおやすみまで続いていた相手なら、当日の朝に連絡がないほうが不自然。いつも通りに送っていい。
逆に、二日に一回、用件だけを短くやり取りしていた相手に、当日だけ急に連絡量を増やすと違和感が出ます。人って、テンションの変化のほうを敏感に読むので。今日だけ距離が近い、という揺れが伝わってしまう。
判断に迷ったら、直近三日間のやり取りを見返してみてください。彼が一日に何通送ってきているか。その数を超えないようにするだけで、重さの事故はほぼ防げます。
二回目以降の当日は、連絡が減っていい
初回のデート当日にあれこれ気を回すのは当然として、二回目、三回目となると事情が変わります。
場所も時間も共有済み、相手の遅刻の癖も分かってきている。ここで前日確認を毎回きっちり入れると、かえって事務的になります。
回数を重ねるにつれて、連絡は減っていくのが自然。減ったことを冷めたと受け取る必要はなくて、確認しなくても成立する関係に移行しただけ。
むしろこの段階で送りたいのは、確認じゃなくて雑談のほうです。今日の店、めちゃくちゃ楽しみにしてお昼抜いてきた。こういう一言のほうが、二回目以降は効きます。
当日に起きるトラブルへの返し方
ドタキャンされたときの一行
当日の朝、体調不良でごめんなさいという連絡が入る。準備を半分終えたところで。
胸のあたりがひゅっと冷える、あの感じ。分かります。
それでも、返す文はこれだけでいい。
了解です。ゆっくり休んでください。
残念です、を入れるかどうかは好みだけど、入れるなら一言まで。楽しみにしてたのに、まで書くと責めている色が出ます。相手はすでに気まずいので、そこに罪悪感を上乗せしないほうがいい。
そして、こちらから次の日程を提案しない。本当に体調不良なら、彼のほうから振り直してきます。来ないなら、それが答え。この見極めが一度でつくので、ドタキャンって実は情報量が多いんですよね。
当日になっても、相手から連絡が来ないとき
前日も当日の朝も無言。待ち合わせの時間が近づいてくる。行っていいのかどうか分からない。
この場合は、こちらから確認して構いません。プライドの問題じゃなく、時間の問題なので。
今日の件、予定通りで大丈夫ですか。
これで返事がなければ、家を出ない。駅で三十分立ち尽くしてから、来ないと悟る展開だけは避けたい。
連絡をまめに取らないタイプの男性は普通にいます。前日確認を送らない人も。ただ、当日の確認にも反応がないなら、それはタイプの問題ではありません。
その日の空気を、翌朝まで持ち越さない
ほとんど送らなかった友達が、二回目を決めた日
友人のデート当日を、あとから聞いたことがあります。
前夜は確認の二行だけ。当日の朝は無言。待ち合わせ十分前に、着きましたの一行。デート中はスマホをバッグに入れっぱなし。帰宅後に、無事着きましたとお礼を一通。
合計四通。それだけ。
彼女いわく、送る回数を減らすと、一通ずつの言葉を選ぶ時間が増えるとのこと。連投していたころは、思いついたことをそのまま流していただけだった、と。
次のデートの約束は、その夜のうちに決まったそうです。
当日のLINEは、その日の空気の続きでしかない
文面をどれだけ磨いても、会っているあいだの時間が微妙なら、結果は変わりません。逆に、その日が楽しければ、少々そっけない文でも問題なく伝わる。
LINEにできるのは、その日の温度を落とさずに持ち帰ることくらい。増幅させる道具ではないんです。
だから当日は、画面より目の前を見ておく。
帰り道で、その日の会話をひとつ思い出せたなら、たぶんその一通は自然に書けます。書けない日は、無理に書かなくていい。