LINEでユーモアのある返し方|笑いを取る一言と会話の続け方

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金曜の深夜、友人からスクショが飛んできた。
これ、天才じゃない?
彼女が送ってきたのは、片思い中の相手とのやり取り。彼女が、ごめん寝落ちしてた、と謝ったところに返ってきた一行。
起きてる方が偉いみたいな空気やめよう。
布団の中で声を出して笑ってしまって、慌てて口を押さえた。深夜一時。壁の薄いアパート。
この一行、ずるい…
謝罪を受け止めず、責めもせず、ただ空気を変えた。ユーモアの正体って、こういう角度の変え方なのよね。

目次

笑わせるのと、面白いことを言うのは違う

大喜利をやろうとすると、外す

面白い返しをしなきゃ、と構えた瞬間に失敗する。
考え抜いたボケは、文字にすると妙に力んで見える。しかも滑った時のダメージが大きい。既読がついたまま返信が来ない数分間、あの居心地の悪さは経験したくない。
効いているのは、たいてい肩の力が抜けた一行。狙わずに出たやつ。
才能じゃなく、角度の問題。ここを理解すると、ぐっと楽になる。

相手を落とす笑いは、その場で死ぬ

いじる形のユーモアは、対面ならまだ成立する。表情と声のトーンで、悪意がないことが伝わるから。
文字だと、それが全部消える。
冗談のつもりが、二割増しで刺さる。受け取った側は笑えないまま、笑っているふりの返信をする。
安全なのは、自分を落とす方向。こちらが転んでいる話は、誰も傷つかない。

笑いの目的は、相手の緊張を解くこと

ここを取り違えている人が多い。
面白い人だと思われることがゴールじゃない。相手が肩の力を抜けることがゴール。
だから、爆笑は要らない。ふっと息が漏れるくらいで十分。むしろそのくらいの温度のほうが、会話が続く。

実際に効いた、返しの型

謝罪を、受け取らずにずらす

返信遅れてごめん、と言われた時。
大丈夫だよ、で終わらせると会話が閉じる。
ずらすなら、こう。
その間に私、三食食べて寝て起きた。
責めていないことが伝わって、しかも笑える。相手の罪悪感が消えて、会話が次に進む。
私がこの型を教えてもらったのは、大学の先輩から。彼女は謝られるたびに変な報告を返す人で、いつも会話が長く続いていた。

自分の失敗を、盛らずに出す

今日、会社の階段で転んだ。誰も見てなかったと思いたい。
コンビニで前の人と同じ弁当を取ろうとして、無言の攻防になった。
盛らないのが条件。作った話は文字に出る。実際にあったダサい出来事のほうが、圧倒的に強い。
男性でも女性でも、失敗を軽く出せる人は警戒されにくい。完璧に見せようとする文面ほど、距離が縮まらない。

大げさな言い方で、小さいことを言う

使いやすい型。
冷蔵庫を開けたら、買ったはずのプリンが消えていた。犯人は同居人か、あるいは過去の私。
今日の会議、人生で三番目に長かった。
中身は本当にどうでもいい話。それを深刻な言い方で包むと、そのギャップが笑いになる。
テクニックとしては初歩的だけれど、失敗しにくい。滑っても、ただの独り言に見えるから被害が小さい。

やってしまいがちな、外し方

笑いを説明する

冗談だよ。
笑
この後付けが多いと、寒くなる。自分で解説した時点で、笑いは死ぬ。
言い切って、そのまま次に進む。相手が受け取れなかったら、それはそれ。全部を拾ってもらう必要はない。
私も昔は、送った直後に、冗談だからね、と追加していた。あれは自分の不安を消すための行動だった。相手のためじゃなかった。

スタンプで笑いを代行させる

面白いスタンプを連打する。これ、楽なんです。楽だから使いすぎる。
問題は、スタンプに情報がないこと。会話しているのかどうかも判然としなくなる。
文字を一行だけ添える。それだけで、生きている人間として認識される。スタンプは調味料であって、料理本体じゃない。

下ネタと毒舌に逃げる

一番簡単に笑いが取れるように見えて、一番回収が難しい。
関係が浅い段階でこれをやると、次の一手が打てなくなる。笑わせたけれど、信頼は増えていない状態が生まれる。
しかも、女性側から見ると、この人はいつもこの手を使うのかな、という見立てが始まる。
下品さで距離を詰めた関係は、たいてい下品なまま止まる。

私が笑わされて、負けた経験

三日放置した後に届いた一行

二十代の頃。忙しくて、三日ほど返信を放置した相手がいた。
四日目に届いたのが、これ。
今日、駅の階段で転んだ。誰も見てなかったと思いたい。
遅れた理由を一切聞いてこない。しかも、こちらが笑って返せる話題を置いていった。
指が勝手に動いて、その場で返信していた。責めない人の勝率は、本当に高い。
あの一行がなかったら、たぶんそのままフェードアウトしていた。

深刻な相談を、軽くしてくれた人

仕事で失敗して、落ち込んでいた夜。
だいぶ重い内容を送ってしまって、送信後に後悔した。こんなの受け取っても困るよね、と。
返ってきたのは、真剣な励ましじゃなかった。
それは飲むしかない。私は付き合いで飲む。
喉の奥で何かが緩んだ。深刻さを引き受けすぎない優しさって、あるのね。
重い話を重いまま返されると、こちらの罪悪感が増える。少しだけ軽くしてくれる人のほうが、また話したくなる。

私が滑った夜のこと

成功例だけ書くのはずるいので、失敗も。
気になっていた相手に、面白いことを言おうとして、内輪ネタを送った。彼が知らない前提の話だった。
返信は、ごめん、どういうこと?
説明した。説明したら、なるほど、と返ってきた。それで終わり。
頬が熱くなって、しばらくスマホを裏返していた。笑いは説明した時点で終わる。あの夜、身をもって理解した。

笑いが会話を続かせる、その仕組み

返信のハードルが下がる

真面目な文章には、真面目な返信が必要になる。
くだらない一行には、くだらない一行で返せる。考える時間がゼロで済む。
返しやすさが、そのままやり取りの長さになる。文才も語彙も要らない。

失敗しても、致命傷にならない

ユーモアの利点は、外れた時の被害が小さいこと。
真剣な告白が外れると立て直しに時間がかかるけれど、冗談が外れても、次の話題に移るだけ。
だから軽く投げられる。軽く投げられるから、回数を打てる。回数を打てるから、そのうち当たる。
確率の話なの。センスの話じゃなく。

記憶に残る形が違う

きちんとした文章は、内容として記憶される。
笑った文章は、その時の感覚として記憶される。
どちらが強いかは、経験でわかると思う。何を言われたか忘れても、笑ったことは覚えている。
冒頭の友人が保存していたスクショも、それ。あの一行は、たぶん彼女の中で当分残る。

肩の力を抜くための、最後の一歩

完璧な文章より、抜けている文章

誤字も、変な言い回しも、そのままでいい。
整いすぎた文面は、読む側に緊張を要求する。抜けている部分があるほうが、人は近づきやすい。
返信が来続ける人は、たいてい隙がある。あれは技術じゃなく、性格でもなく、単に力を抜いているだけ。

あのスクショの、その後

起きてる方が偉いみたいな空気やめよう、と返してきた男性。
友人は今、その人と付き合っている。
決め手を聞いたら、あの一行、と即答された。
面白い人だから好きになったわけじゃないらしい。責められると思って身構えたところに、ふっと肩の力を抜かせてくれた。その瞬間に、この人といると楽だと思った、と。
笑わせるのは、たぶん手段でしかない。渡しているのは、気楽さのほう。

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