LINEで告白した後に返信がこない理由と、不安な夜の過ごし方

  • URLをコピーしました!

月曜の朝、駅のホームで、乗るはずの電車を一本見送った。
ドアが閉まる音で、やっと我に返る。
前の晩、十一時過ぎに、好きな人へLINEで告白していた。
送って八分で、既読の印がついた。
そこから先の時間が、じりじりと伸びていく。
返事は、まだない。
(寝ちゃったのかな…それとも…)
次の電車で、ガラスに映った自分は、ひどい寝不足の顔をしていた。

告白の答えを待つ時間は、待つ側にとって、ふだんの何倍にも長く感じる。
受け取る側も経験した今なら、あの沈黙の中身が、少しだけわかる。

目次

LINEで告白した後に返信がこないのは、断られる前触れとは限らない

返事がこないと、頭はすぐ、いちばん悪い答えに飛びつく。
けれど、答えが遅れる理由は、断りの準備だけではない。

告白への返事は、ふだんのLINEより時間がかかる

ふだんなら五分で返ってくる人でも、告白には何時間も、何日もかかる。
返事ひとつで、二人の行き先が決まってしまうから。
今日のごはんの話と同じ速さで、答えを打てる人のほうが少ない。
いつもの返信の速さと比べるのは、ここでは意味がない。
告白とは関係なく、仕事の山場や家の用事で、スマホを開く暇がない、という日もある。

告白した曜日と時間で、返事の遅れ方は変わる

私が告白を送ったのは、日曜の夜十一時。
受け取った彼には、そのまま月曜の朝が来る。
週の始まりの忙しさに、返事を考える時間は押し流されていく。
月曜の昼には、日曜の夜に送った自分を、少し恨んでいた。
これが金曜の夜なら、週末のどこかで、落ち着いて言葉を選べる。
送ったのが平日の夜なら、次の休みまで返事がこなくても、不思議ではない。
待つ日数を数えるときは、相手の一週間の形も、いっしょに思い浮かべておく。

読まれた気配がないとき

何時間たっても、告白が未読のまま、という夜もある。
忙しいだけの日もあれば、開くのをためらっている夜もある。
去年の冬、同じフロアで働く人から、金曜の夜に告白が届いた。
最初の一晩、私は、通知に出た一行目だけを読んで、トークを開けなかった。
スマホは画面を下にして、枕から遠い棚へ。
開けば、既読がつく。
既読がついた瞬間から、相手を待たせる時間が始まる。
未読のままの告白は、読まれていないとは限らない。
重く受け止められて、手が出せずにいる可能性もある。

既読だけついて、言葉が届かないとき

読んだ印はついたのに、返事がない。
このとき相手は、たいてい、最初の一語を探している。
土曜の昼にやっとトークを開いてから、私は返事を打っては消した。
ありがとう、から始めると、断りに見える。
うれしい、から始めると、軽すぎる。
ごめんね、から始めたら、その時点でもう答えそのもの。
気づけば、送らなかった下書きが七つ。
答える側の手が止まるのは、書き出しの一語で、返事の色が決まるから。

告白に触れない返事が届いたとき

告白には触れずに、まったく別の話が返ってくることもある。
週末の天気や、共通の友達の話だけが届く。
答えを先送りにしたいのか、今の関係を崩したくないのか。
どちらにしても、相手は今、答えを言葉にする準備ができていない。
ここで、で、返事は?と迫ると、相手はますます身を固くする。
別の話には、別の話として、ふつうに返しておく。
そのまま告白がなかったことになるのか、ある日ふいに答えが届くのか。
それは、送った側にはわからない。

告白の返事が遅れる、受け取った側の本音

返事が出てこない事情を、いちばん正直に話してくれた人がいる。
帰り道にある、知らない花屋のお兄さん。

うれしいより先に、どう返そう、がくる

告白を受け取って最初に浮かぶのは、喜びより、戸惑いのことが多い。
去年の私も、突然届いた告白に、どぎまぎしてスマホを裏返した。
好意を向けられたことより先に、どう返そう、が頭を占める。
断るにしても、受けるにしても、相手を傷つけない言い回しが、どうしても出てこない。
告白をくれた人の顔を、次にどう見ればいいのか。
それを考えているうちに、窓の外が白んでいた。
返事が遅いのは、相手のことを軽く扱っているからではない。
重く受け止めているからこそ、指が動かなくなる。

文字で返すか、会って伝えるかで迷っている

三年前、告白を送って二日目の夕方。
帰り道の花屋の前で、私は三分おきにスマホを見ていた。
店先の鉢を動かしていたお兄さんが、笑いながら声をかけてきた。

誰かの連絡、待ってるんですか?

気づけば、知らない人に、告白の話をしていた。
(まさか、花屋さんで恋の相談をするなんて…)
お兄さんは、花の茎を切る手を止める。

それ、向こうも今ごろ悩んでますよ!僕、LINEで告白されて、五日間、返事できなかったことがあって。
うれしかったんです。でも、文字で答えていいのか、会って言うべきか、ずっと迷って。

受け取った人は、返事の中身だけでなく、返し方でも迷っている。
大事な話ほど、文字で済ませるのは失礼な気がしてくる。
かといって、会う日まで待たせるのも申し訳ない。

すぐ返すと、軽く見えそうで手が止まる

お兄さんの話には、続きがあった。

すぐ返すと、考えてないみたいに見えるじゃないですか。だから、ちょっと時間を置きたくなるんですよ。

男性は、即答を軽さと取られるのを気にすることがある。
考えた跡を残したくて、わざと一晩置く人も。
それが待つ側には、果てしなく長い。
女性の側にも、すぐ返したら待ち構えていたみたいで恥ずかしい、という気持ちがある。
帰り際、お兄さんは、日持ちする花を一本選んでくれた。

待ってるあいだ、水を替えるのが、けっこう気晴らしになるんで(笑)

誰かに相談してから返そうとしている

告白をもらった側は、ひとりで決めきれずに、誰かに相談することも多い。
去年の私も、土曜の夜、同期の女友達に電話をかけた。
好きなの?と聞かれて、たぶん、と答えるまでに十秒。
それもう答え出てるじゃん!と、電話の向こうで笑われた。
相談している時間のぶんだけ、返事はまた遅れる。
ただ、相談するのは、真剣に考えている証拠。
どうでもいい告白なら、誰にも話さずに、その場で断りを打っている。

返事の速さで、答えは占えない

結局、あの告白の返事が届いたのは、水曜の朝。
送ってから、まる二日半がたっていた。

待たせてごめん。真剣に考えて、やっぱり友達のままでいたいと思った。

通勤の電車で読んで、喉が詰まる。
それでも、待つ時間が終わったことに、どこかで体が緩んでいた。
反対に、私が四日半も待たせた告白には、イエスと答えている。
遅い返事が断りとは限らないし、早い返事がイエスだという決まりもない。
速さで答えを占うのは、待つ側の気休めにしかならない。

返信がこない不安で、頭の中に起きていること

待っている側の頭の中では、いくつかの考えが、同じ順番でくり返される。

送った文面に、頭の中で赤を入れ続ける

あの二日半、私は自分の告白を、たぶん四十回は読み返した。
重すぎた、軽すぎた、あの一文はいらなかった。
読むたびに、頭の中で同じ言葉がぐるぐる回る。
はぁ…、送った文面は、もう相手の手の中にあるのに。
何度読んでも、一文字も書き換えられない。
読み返したくなったら、そのトークではなく、友達との他愛ないトークを開く。

夜中に、他人の体験談を読みあさる

一日目の夜中、告白の返事がこない、と検索して、体験談を三十件は読んだ。
三日後にオーケーが来た人もいれば、そのまま終わった人もいる。
読めば読むほど、どちらの未来にも転がれる気がしてくる。
他人の結末に、私の答えは書いていない。
スマホを置いて眠るほうが、答えに一晩近づける。

笑われているかもしれない、と思えてくる

二日目の夜は、一時間おきに目が覚めた(泣)
暗い部屋で浮かんでくるのは、もっと嫌な想像。
(今ごろ、友達に見せて笑ってたりして…)
正直言って、そういう人だったら、最初から好きになっていない。
不安は、相手の人柄まで、勝手に悪く書き換える。
思い出すなら、不安の中の彼ではなく、実際に会っていたときの彼。

最後に会った日の自分まで、疑いはじめる

三日目が近づくと、矛先は自分に向かう。
直前に会った日の、自分の笑い方、話した内容、帰り際の手の振り方。
ひとつずつ取り出しては、失敗の証拠を探す。
あの時、あんなこと言わなければ、と。
けれど、告白の返事は、一日の振る舞いで決まるものではない。
相手は、何度も会ってきた全部を見て、答えを出す。
反省会は、答えが届いたあとに開けばいい。

返事を待つあいだの、不安の小さくし方

不安を消すことはできなくても、小さくする工夫はある。

不安になっていい時間を、一日十五分だけ決める

私がやったのは、不安になる時間を、夜の九時からの十五分に決めること。
その十五分は、思いきり悪い想像をしていい。
ノートに、浮かんだ心配を全部書き出す。
書いた心配の半分は、翌朝に読むと、少し笑える。
時間外に考えが浮かんだら、九時に回す、と心の中で言う。
最初はうまくいかなかったけれど、二日目には、少しだけ効いてきた。
不安を締め出すより、出てきていい時間を決めるほうが、意外と続く。

イエスとノー、両方への返事を先に下書きしておく

待つ不安の正体は、答えそのものより、答えが来たときの自分が見えないこと。
それなら、どちらの答えにも、先に返事を書いておく。
ノーなら、真剣に考えてもらえたお礼と、これからも普通に話したいという一言。
イエスなら、照れずに、うれしいと一行で。
下書きは、送り先のないメモに残しておく。
どちらが来ても、打つ言葉はもう決まっている。
それだけで、待つ時間の重さが、少し変わる。

話す相手は、ひとりに絞る

不安なときほど、誰かれかまわず話を聞いてほしくなる。
でも、話した人の数だけ、どうだった?と聞かれる回数も増える。
共通の知り合いなら、相手の耳に入るおそれまで。
話すのは、口の堅い友達ひとりで十分。
私が話したのは、学生時代からの友達だけ。
彼女は、答えが来るまで、その話を一度も自分から持ち出さなかった。

会ったとき、答えを相手の顔に探さない

返事が来ないまま、相手と顔を合わせる日もある。
職場や学校なら、毎日がそうなる。
そんなときは、相手の表情から答えを読み取ろうとしない。
見つめられると、答える側は、返事を急かされているように感じるから。
返事を待たせていた私が楽になれたのも、それだった。
週明けの廊下で、同じフロアの彼は、いつもどおりに会釈して、すれ違っていった。

一度だけ送るなら、相手が返事をしやすくなる一通

待ちきれずに二通目を送るなら、相手の荷物を軽くする一通にしたい。

断る言葉を、相手に探させない

告白された側がいちばん苦しいのは、断る言葉を自分で一から作ること。
それなら、答えやすい形を、こちらから差し出しておく。

返事のことで、あまり頭を抱えないでほしいです。
言葉にしにくかったら、次に会ったとき、首を縦か横に振ってもらえれば十分です。

文字で断る重さを、相手の手から下ろしてあげる一通。
あのお兄さんも、それなら肩の荷が下りる、と笑っていた。
これは、待たせる側だった私が、本当に助けられた一通でもある。
送ってくれた彼は、断りの文章を打たせるのが申し訳なかった、とあとで言っていた。

その一通で、好きを言い直さない

二通目に、本当に本気です、や、どれだけ好きかを書き足したくなる。
けれど、言い直された好きは、受け取る側には、答えの催促に聞こえる。
告白は、一回目の文面で、もう相手に届いた。
二通目は、気持ちではなく、返事の負担を軽くすることだけに使う。
あの冬に届いた二通目が、好きの言い直しだったら。
私の指は、もっと固まっていたはず。

二通目にも返事がなければ、そこで手を止める

二通目まで送って、それでも何もなければ、三通目は送らない。
それ以上の一通は、どんな文面でも、相手には追いかけてくる足音に聞こえる。
答えのない告白とどう付き合うかは、もう相手ではなく、自分の側の話。
普段どおりに接しながら、時間に任せる人もいる。
自分の中でひと区切りつけて、次へ進む人も。
どちらが正しいかは、たぶん、決められない。
答えのないまま季節が変わり、ふつうの雑談だけが戻ってきた、という話も聞く。

私が受け取った、いちばん返しやすかった一通

去年の冬の告白に、私が答えられずにいた、火曜の夜。
彼から、二通目が届いた。
中身は、さっきの例文とほとんど同じ。
首を縦か横に、のところで、ひとりの部屋で吹き出した。
笑ったら、肩に入っていた力が、ようやく抜けていく。
翌朝、エレベーターで、彼と二人きりになった。
言うなら、今。
私は黙って、一回だけ、首を縦に振った。
彼はボタンを押そうとして、二回、押し損ねた。
緊張のせいだと思っていたら、あとで、ただの筋肉痛だったと知る。
返事を待つ四日半、毎晩、近所の公園で懸垂をしていたらしい。
待つ側の男性も、眠れない夜を、どうにかやり過ごしている。
付き合いはじめた週の彼は、腕が上がらず、髪を洗うのにも苦労していた(笑)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次