LINEが上手い女の返し方|男性の心を掴む一言と会話術

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金曜の夜、居酒屋の隅で三人。
真ん中に座っていた子が、テーブルに突っ伏したまま呻いた。
返信、既読だけついて三日。
彼女のトーク画面を覗かせてもらって、私は箸を持つ手を止めた。
そうなんですね。すごいです。私もそう思います。
きれいな日本語が、上から下まで整列している。ひとつも失礼がない。相手が返す場所も、ひとつもない。

目次

返信が来なくなる文と、来続ける文

 

正しい相槌は、会話を殺す

そうなんですね。すごいですね。大変でしたね。
どれも間違っていない。だから厄介。
受け取った側は、話が終わったと判断する。次に何を出せばいいのか、わからなくなる。
足すべきは、自分の反応。
すごい、私だったら初日で逃げてる。
一行足すだけで、相手が拾える球になる。会話は打ち返す遊びだから、拾えない球を投げ続けたら、そのうち相手はグラウンドを去る。

質問返しばかりだと、相手が疲れる

これも見落とされがち。
そうなんだ、なんでそう思ったの。それでどうしたの。他には。
興味を示しているつもりが、相手にはインタビューに聞こえている。
男性は、自分ばかり話している状態に居心地の悪さを覚えることがある。特に慎重なタイプほど、この一方通行に敏感。
聞いたら、自分のことも少し出す。この往復のリズムが崩れると、会話は片肺になる。

絵文字とスタンプで済ませすぎない

可愛いスタンプで返すのは楽。返信の速度も上がる。
ただ、スタンプは情報量がゼロなの。連発すると、こちらの人格が画面から消える。
男性側から見ると、会話しているのかどうかも判然としない。文字を一行だけでも添える。それだけで、生きている人間として認識される。

実際に効いた、返し方の型

 

感情の名前じゃなく、起きたことを返す

嬉しい、と書くより、体に起きた出来事を書くほうが伝わる。
それ読んで、電車の中で変な顔になった。
仕事中に見ちゃって、ペン落とした。
自分の言葉が誰かの一日を動かした、という手応え。男性はこれに弱い。反応が可視化されると、次も送りたくなる。
私は昔、嬉しいです、しか返せない女だった。何が変わったって、返信の量が明らかに増えたのはこれを始めてから。

褒めるなら、努力の跡を見つける

かっこいい、優しいね。これは通り過ぎる。言われ慣れているし、社交辞令の棚に振り分けられる。
刺さるのは、本人が気づかれたいと思っていた場所。
そこまで調べてくれてたんだ。
その言い方、ちゃんと考えてくれてるのが伝わる。
男性は、努力を見つけてもらいたい生き物なの。結果じゃなくて過程。ここを拾える女性は、だいたい強い。

短く切り上げる勇気

盛り上がっている最中に、そろそろ寝るね、と閉じる。
これができる子は、間違いなく上手い。
相手の中に、もう少し話したかった、が残る。その残り方が次の連絡を呼ぶ。
限界まで引き伸ばした会話は、翌日開く気にならない。終電まで話し込んだ相手より、途中で切り上げた相手のほうが気になる。人の心って、ちょっと意地悪にできている。

私がやらかしてきた、恥ずかしい失敗

 

長文で気持ちを流し込んだ夜

二十代半ば。付き合う前の相手に、四百字くらいの気持ちを送った。
考えて考えて、三十分かけて打った文章。送信した直後、指先が冷たくなった。既読がついてから返事が来るまで、六時間。
返ってきたのは、ありがとう、嬉しいよ、の二行だった。
悪気はない。ただ、同じ熱量を返せなかっただけ。長文は、受け取る側に同じ重さの返信を要求してしまう。
あの夜以来、気持ちは三行までと決めている。

試すような返しをして、自分から壊した

これは本当に情けない話。
返信が遅い相手に、忙しいならもういいよ、と送ったことがある。かまってほしかっただけ。
既読が三日つかなかった。あの三日間、通知音が鳴るたびに肩が跳ねて、鳴らないと胃がしくしく痛んだ。
四日目の返信は、ごめん、余裕がなかった、の一文。
拗ねた文面は、確認じゃなく請求書として届く。相手の残高を削るだけ。二十代の自分に会えるなら、送信前に手を掴んで止めたい。

合わせすぎて、中身が消えた時期

相手の趣味に全部合わせて、否定を一切しない返信を続けていた頃がある。
嫌われたくなかった。それだけ。
三か月ほどして、相手からこう言われた。何が好きなのか、いまだにわからない。
グラスを持つ手が止まった。褒め言葉のつもりで作った無色透明が、そのまま自分の輪郭を消していた。あ、この言葉も禁じ手だった。存在感、と言い直します。
好かれる返信と、印象に残る返信は違う。後者には必ず自分が入っている。

男性が地味に喜んでいる、女性の返し

 

頼る一言が入っている

全部自分で解決できる女性は、格好いい。ただ、隙間がないと男性は入ってこられない。
これ、どっちがいいと思う。
ここ、詳しいよね。教えてほしい。
判断を委ねられると、男性は嬉しいらしい。役に立てた感覚が残るから。実際、これを言い始めてから返信の速度が上がった相手が何人かいる。
弱さを演じる必要はない。素直に聞くだけでいい。

覚えていたことを、さりげなく出す

先週の歯医者、どうだった。
プレゼン終わったんじゃない。お疲れさま。
男性は、女性に覚えられていることに驚く。忘れているだろうと思っている話を拾われると、こちらへの意識が跳ね上がる。
これは友人の実例。相手が二週間前に話したラーメン屋を覚えていて、あの店行ったの、と聞いた。それだけで距離が変わったと言っていた。

笑いを返せる子は、強い

返信が遅れた時の対応が、綺麗だった友人がいる。
遅れた理由を説明せず、こう送った。
返信を書いてる途中で寝た。朝起きたら送信できてなくて絶望した。
責められる要素がひとつもない。しかも笑える。
謝罪より、笑いのほうが場を軽くすることがある。深刻にしない技術って、実は高度なの。

関係の段階で、返し方は変える

 

まだ浅い相手には、余白を多めに

知り合って間もない段階で、心の内側を全部出す必要はない。
軽い返信を続けて、時々ひとつだけ自分の話を挟む。物足りないくらいの濃度がちょうどいい。
相手が知りたいと思う余地を残す。全部渡してしまうと、その先が消える。

付き合ってからは、逆に濃くする

関係が固まったら、駆け引きは捨てていい。
今日あった小さなことを、そのまま送る。会社の階段で転んだとか、隣の席の人のくしゃみが大きすぎるとか。
中身がない報告ほど、生活を共有している感覚が育つ。長く続いているカップルのトーク履歴は、九割どうでもいい話だそうです。ゴミの日を間違えた話とか。
その隙間に、ときどき甘い一言が挟まる。あの配合が強い。

あの夜、突っ伏していた子のその後

 

変えたのは、たった一行

彼女に頼んだのは、そうなんですね、の後ろに自分の話を一行足すこと。それだけ。
仕事が大変だった、という相手のLINEに、大変でしたね、で終わらせず、私も今週ずっと残業で、昨日の夕飯がグミだった、と足す。
二週間後、報告が来た。会話が続くようになったらしい。
文才も、可愛い絵文字も、駆け引きも要らなかった。自分をひとかけら出すだけで、相手は入ってこられるようになる。

上手い返しは、上手く見せないこと

狙って作った完璧な文章より、少し抜けている文章のほうが人は好きになる。
誤字も、変な言い回しも、そのままでいい。整いすぎた文面は、読む側に緊張を要求する。
返信が来続ける人は、たいてい隙がある。
あの日の居酒屋で、彼女が最後に言った言葉が忘れられない。ちゃんとしなきゃって思ってた、と。
ちゃんとしなくていい。そこそこでいい。そのほうが、ずっと会いたくなる。

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